図書館からのオススメ絵本 ~vol.172~

3~5歳向けの絵本です。

『そこにいるのは だれ?』

得田 之久/さく 福音館書店

 

主人公は白黒まだらの小さなゾウムシ。口先が象の鼻のように伸びているユーモラスな見た目の小さな虫です。

ゾウムシが葛のつるの上を歩いていると、重なった葉っぱの向こうから2本のひげがのぞいています。さらに進むと、ぎょろぎょろした目や長い脚、大きなお腹も見えてきます。全体は見えませんが、1センチ足らずのゾウムシより何倍も大きな誰かがいるようです。

 

不意にその姿が消えました。ゾウムシがあたりを見渡していると、突然大きな鎌に跳ね飛ばされてしまいます。起き上がった時にはすでに誰かは去って行くところでした。一体、あれは誰?

さて、結局ゾウムシには分からずじまいでしたが、虫好きさんならその正体に気づくかもしれません。「大きな鎌」を持つあの昆虫です。

 

私たちの足元に見える小さな草むら、そこにいるさらに小さな生きものたちからは、どんな世界が見えているのでしょう。ゾウムシの視点を想像しながら読んでみてください。 (by yam)