0~2歳向けの絵本です
『わたしの』 三浦太郎/作 こぐま社 2007
子どもが2歳前後になると、物を所有する意識が芽生えてきます。「パパの?」「○○(自分の名前)の?」など、持ち主を確認する問いかけも出てくるようになります。そんな時期の子どもと一緒に読んでもらいたい一冊です。
初めに描かれているのは大きな椅子、中くらいの椅子、小さな椅子。「わたしのどれかな」という文に合わせてページをめくると、「ちいさいいすわたしの」。小さな椅子にに腰掛けた子どもがにっこり笑っています。
次は、ご飯が盛られたお茶わんが三つ。「わたしのどれかな」。「ちいさいおちゃわんわたしの」。歯ブラシや靴も全て大中小の三つずつ。そして小さい物が「わたしの」です。
ただ、最後に登場する食べ物だけは、ちょっと展開が違うようです。「大きいバナナ、中くらいのみかん。ちいさいいちご、わたしのどれかな。」さあ、困りましたね。子どもも、ちょっと考え込んでしまうでしょう。でも大丈夫。誰もが大満足の結末が用意されています。
身の回りの物を「自分の物」として大切にすることや、みんなで使う物を譲り合ったり分け合ったりすることを学ぶ第一歩として、クイズ感覚で楽しめます。(36)