3~5歳向けの絵本です。
『ちちんぷいぷい』 谷川俊太郎/ぶん 堀内誠一/え くもん出版 2021年
森に突如現れた、しらないきつねのおじさん。そして見るからに怪しげな黒いテーブルクロスで覆われた机に、逆さまに置かれたシルクハットのようなぼうし。
そんな不思議な雰囲気に引き寄せられたこりすたちは、ぼうしの中になにかが隠れていることに気づきます。きつねのおじさんが星柄の布をぱっとひるがえすと、ぼうしからは山盛りのどんぐりが現れました!
大喜びのこりすたちを見て、うさぎも近づいてきます。再び布をひるがえすと、今度はりんごが3つ現れました。うさぎも大喜びです。きつねのおじさんは、ぼうしから次々に秋の味覚を取り出し、そのたびに森の動物たちは大喜び。
おいしくて楽しいマジックショーですが…こりすたちは、テーブルクロスがもぞもぞ動き、ふわふわのしっぽが見え隠れしていることに気づきます。どうやら、たべもののほかに誰かが隠れているみたい。
最後のページでは、マジックの小道具だった星柄の布をランチョンマットにみんなでピクニック。机の下の誰かさんも一緒です。よく見ると、マジックの仕掛けも種明かしされています。
1987年に亡くなった堀内誠一さんの未発表の原画に、詩人の谷川俊太郎さんが文章をつけた、古いけれど新しい絵本です。(by yam)