6歳~向けの絵本です
『八郎』 斎藤 隆介/作 滝平 二郎/画 福音館書店 1980
八郎潟にまつわる創作民話です。
昔、秋田の国に八郎という山男がいました。八郎は樫の木のような大男でしたが、もっと大きくなりたいと願っていました。でも、なぜ自分が大きくなりたいかは分かりませんでした。ある日村人たちが、海が荒れて田畑が荒らされてしまうと悲しんでいるのを見た八郎は、荒れ狂う海に立ち向かいます。海へと身を投げ出した時、なぜ自分がこんなに大きくなったのか、それは困っている村人のためにあるのだと悟ります。八郎のおかげで海は鎮まりましたが、八郎が戻ってくることはありませんでした。
秋田弁による語り口と鮮烈な切り絵が印象的な絵本です。八郎の優しさと強さに勇気をもらえるようなお話です。(yukorin)