2週に渡り、絵本から読み物へ移行する時期におすすめの絵本をご紹介します。
6歳~向け絵本
『トロールものがたり』 イングリ・M・ダウレア,エドガー・P・ダウレア/さく ほるぷ出版 1978(絶版) 童話館出版 2001
「トロール」という生き物をご存じですか?北欧が舞台の絵本や物語に頻繁に登場する彼らは、ノルウェーの山おくに住んでいます。様々な姿をしたトロールたちは、まがった鼻で料理をしたり、沢山の頭で夢を見たり、金の森の葉を盗もうとした人間を動物に変えたりして暮らしていました。
絵本の中にはそんなトロール達と人間との、短いお話がいくつか載っています。12人のお姫様をさらう12頭のトロールのお話、木こりの男性に力比べで負けてしまう森のトロールのお話、1つの目玉を3人で使っていたトロールが、男の子に目玉を取られてしまうお話……。
ドーレア夫妻の、温かみのある細部まで書き込まれた挿絵と、「トロール」という不思議な生き物の持つ怖さ、面白さは、子どもたちをきっと次の物語の世界へと導いてくれることでしょう。(su-san)